カイズカイブキは変なところで切ると、トゲトゲした葉が出てきます。
このトゲトゲした葉を「化ける」とか「先祖返りする」と言いますが、刈り込むと化けやすくなります。化けた葉は放っておくと、どんどん大きく広がってしまうので、見つけたら早めに元から取り除いてやります。
延州緑化では、カイズカイブキのような常緑の針葉樹は「刈り込み剪定」をせずに「透かし剪定」を行います。
常緑の針葉樹は葉の付いている部分で切らないと、新芽が出ずに枯れる事があります。また、刈り込んだりすると、外側に枝が密集し、内側が蒸れたりして病害虫を呼んだり、枯れたりします。
透かし剪定のコツ
透かし剪定には大まかに、大透かし(幹元で枝を切ること)・中透かし(大まかに枝を透かすこと)・小透かし(枝先を細かく透かすこと)がありますが、忌み枝を除く作業が「大透かし」や「中透かし」にあたり、「小透かし」を行うための前提作業だと思ってください。
木は全般的に(枝垂れものを除く)上に伸びて行く力が横に伸びようとする力よりも強いです。「忌み枝」を抜いたら、上芽(立ち芽)を抜いて、横を向いた芽(横芽)を残します。横芽の長さを整えるために途中で切る場合は外芽の上で切ってください。
枝葉は「薄い皿」をイメージして、なるべく「厚み(高さ)」をもたせないようにして剪定します。
枝葉の茂り具合を均一にする場合は、一番薄い所(枯れていない日陰の下枝)を基準にして透かせば良いと思いますが、時期や木の健康状態によって変わるため、慣れるまでは多めに残してやればいいと思います。上は薄く・狭く 下は濃く・広くが基本ですが、あまり極端に違うと不格好になるので、注意してください。
刈り込む場合は、剪定ばさみなどで、おおまかに形を造り、それから枝先をそろえる程度に優しく刈り込んでやれば良いと思います。(あまり深く刈り込むと葉が「化ける」ので、注意してください!)
余裕があったら、枝葉の濃い部分を透かしてあげれば、更にキレイに見えます。
常緑の針葉樹は刈り込みだけで樹形(大きさ)を維持していくのは難しいので、三年に一回くらいは庭師にチェックをしてもらったほうが良いと思います。